Tree Planting Project in ジンバブエ
ジンバブエではほぼ毎晩行われる計画停電のため、夕飯の準備に電気調理器を使用することができず、薪を使用して調理を行うことがよくあります。そのため特に高密集住宅地帯周辺の木は薪を求める住民により、大小構わず片端に伐採され、緑が急激に減少しています。
NPO法人シンバでは、ジンバブエにおいて植林活動をするにあたりモリンガの木の植林から始めることにしました。
モリンガの木は丈夫で育成速度も速く、一般の人でも育てるのが容易であること、またモリンガはそれに含まれる栄養が非常に豊富であることから近年注目を集めている植物であり、その葉を摘んでお湯をくべて飲むだけでも栄養を取ることができると言われており、このような事から人々がモリンガの木を進んで育ててくれる事が期待できるため、植林する木として先ずモリンガを選択しました。
2012年5月理事の松原がジンバブエを訪問した際のモリンガの木に関する滞在記
モリンガの植林活動を開始するにあたって、先ず最初にグエル市(Back to Projectをすでに開始している街)のグエル市役所森林課のMr. Banda(バンダ氏)へ話しを持ちかけてみました。バンダ氏からの回答は、NPOシンバで種を購入しさえすれば、バンダ氏のいる森林課でモリンガの木を育て、グエル市役所の所有する土地のどこかへ植林することに何の問題もない、というありがたいものでした。またバンダ氏が翌日に種を売っているお店へちょうど行く用事があるとのことで、種の価格などを調べて教えてくれるとのことでしたのでその返事を翌日まで待つことにしました。
この日は、モリンガ茶を購入したかったので、グエル市内にある、Midlands AIDS Service Organization (MASO);ミッドランド・エイズ・サービス・オーガニゼイション(マッソー)において購入できるとの情報を得、ここを訪れました。
MASOはエイズの予防、患者の精神的ケア等HIV/エイズに関する活動を中心とした組織ですが、それ以外にも、女性の自立支援、孤児を支援など地域発展のためのあらゆる活動を行う団体で、スウェーデンの援助団体がスポンサーとなっています。
今のところグエル市でモリンガ茶を扱っているのはMASOのみでした。
ちょうど今回私がMASOを訪れた際も、その建物の一室で地域の女性へのエイズ予防に関する講習会が開かれている最中でした。その中から担当職員の男性が中座し対応してくれました。その担当職員によると、モリンガ茶は注文を受けてから作り始めるため、私の帰国に間に合わせるのは時間的に厳しいとのこと。その理由のひとつに、モリンガの葉の乾燥を直射日光下ですることは、その栄養を損なうという理由で禁じられており、専用の乾燥機を用いて乾燥を行うため一度に大量に生産できないとのこと。この話を聞いてモリンガ茶の購入が難しいという事態より、MASOで販売のみでなく、生産からしているという話に私は興味を持ちお茶は手に入らないかも知れないけどモリンガについて情報を得られるかと嬉しくなりました。早速、職員の人に自分がモリンガに関心があることをお話し、モリンガの木などを見せてもらうことにしました。
色々説明をしてもらっている中で、ここでもモリンガの苗を販売していることが判明しました。価格は1苗$2とのこと。この小さな苗を植えるとたったの半年でモリンガ茶のための葉の収穫をできるまでに木が育つとのこと。これは驚異的な早さです。取りあえず1苗だけ購入し、またモリンガ茶も帰国日までにできるだけ多く生産するようお願して帰りました。
翌日、市役所のバンダ氏へモリンガの種についてどうだったか確認の電話をしたところ、現在モリンガの種は販売しておらず、代わりに苗が$3で売っているとのこと。MASOでは$2だったので当然MASOで購入することとし、また種でなく苗から始めるのであれば、バンダ氏のようなプロフェッショナルな人へ頼まなくても、一般の人でも育てるのは容易であるので、今回のモリンガの植林活動はMASOで苗を購入し、地域の人々へ苗を配り、植林を依頼することとしました。
配布は、Back to Schoolプロジェクトを行っているグエル市ムタパ地区の住民を対象に行いました。家の敷地にモリンガの木を植えるスペースがあり、モリンガ茶に興味のある人を募り、配布しました。今回、MASOでは11株しか在庫がなく、一人1株、11名の人にモリンガの苗を植えてもらうことにしました。ちなみに、バンダ氏が訪れた$3で売っているお店の在庫も10株未満でした。人気のある木ですと100単位の在庫が常にありますが、モリンガはそのような人気はまだないようです。今回はBack to Schoolプロジェクトで関わっている人を中心に配布を行いましたので、今後Back to Schoolプロジェクトの報告とともに、モリンガの木の成長、住民の反応等についても報告していきたいと思います。